紋付袴とは?新郎の和装の選び方や注意点を徹底解説!
「紋付袴ってなに?」
「新郎の和装の選び方のポイントを知りたい!」
「紋付羽織袴を着用するときの注意点は?」
このような疑問を抱えていないでしょうか?
花嫁が和装をするなら、新郎も和装で揃えるのが一般的です。しかし、普段から着物を着ている人でなければ、和装姿がピンとこない人も多いでしょう。
この記事では、新郎の和装姿「紋付袴」について以下の内容を解説します。
- 紋付袴とは
- 紋付袴の種類や着用に必要なもの
- 紋付袴の選び方や注意点
スマートに着こなすポイントについても解説しますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
紋付袴(紋付羽織袴)とは?
紋付袴は「もんつきはかま」と読み、紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)が正式な呼び名です。和装における男性の第一礼装とされており、新郎は最も角が高い黒五つ紋付き羽織袴を着用するのが一般的です。
江戸時代ごろから着用されており、家紋を入れた長着に袴を履き、紋付の羽織を着用するのが正式です。五つ紋付き羽織袴を着用する場合、小物は白で統一するのがルールとされています。
結婚式で着用する紋付袴の種類
結婚式で新郎が着用する紋付袴は、大きく2つに分かれます。
- 第一礼装
- 準礼装
詳しく説明していきます。
1. 第一礼装|黒五つ紋付羽織袴
花嫁が白無垢や色打掛などを着用するときは、新郎も第一礼装で揃えます。黒五つ紋付き羽織袴とは、背中や両袖、両胸の5か所に染め抜き紋が施されているもので、家紋もしくは通紋を入れたものを着用します。
ほかにも、たびや小物は白で統一することや、袴は縞柄であることなど、細かなルールがあります。結婚式以外にもさまざまな場所で着用できる、男性の和装の正装とされる衣装です。
2. 準礼装|色紋付羽織袴
花嫁が振袖など正装以外の和装にする場合は、新郎は準礼装と呼ばれる色紋付羽織袴を着用します。黒五つ紋付き羽織袴と違い色が選べるのが特徴で、家紋が1〜3つの場合は準礼装扱いに、5つ紋の場合は第一礼装と同格として扱われます。
色紋付羽織袴は、新婦とのコーディネートを楽しめるのが魅力です。特に、花嫁が新和装と呼ばれる和に洋を取り入れた現代風の着こなしをする場合は、色味を合わせた色紋付を選び、おしゃれを楽しむとよいでしょう。
紋付袴を着用するときに必要なもの
結婚式などで紋付袴を着用するときに必要な小物などを確認していきましょう。紋付袴をレンタルする場合は、足袋など肌に触れる小物は購入しなければならないこともあるので注意が必要です。
五つ紋付き羽織袴を着用するときに必要になるものは、以下の通りです。
羽織(はおり) | 着物の上に羽織るもの。羽二重の黒地のもので、家紋をつけて着用する |
長着(ながぎ) | 羽織の下に着る着物のこと。黒の羽二重で、五つ紋がついたものを着用する |
長襦袢(ながじゅばん) | 長着の下に着用するもの。肌着 |
袴(はかま) | 着物の上から履くもの。仙台平の縦縞の袴が正装 |
羽織紐(はおりひも) | 羽織が胸元で開かないように留めるための紐。白の平打ちもしくは丸紐を使う |
扇(おうぎ) | 紋付袴を着用するときの装飾品の1つ。白いものを選び、手に持つ |
草履(ぞうり) | 履き物。畳み表のものが正装とされる。鼻緒が白い物を選ぶ |
足袋(たび) | 足に履くもの。白でサイズの合ったものを選ぶ |
羽織や長着に使われている羽二重(はぶたえ)とは、日本の伝統的な織物の1つで、光沢感があり薄手で滑らかな生地が特徴です。また、仙台平も袴に使われる生地の種類で、宮城県仙台地方で作られる絹織物のことを指します。どちらも五つ紋付き羽織袴には欠かせないもので、日本の伝統工芸品として大切に受け継がれているものです。
家紋は染め抜きで、背中・両胸・両袖の5か所につけるとされています。背中はご先祖様を、両胸は両親を、両袖は兄弟姉妹や親戚を表します。家紋の数は紋付袴の格に大きく影響し、5つあるものはもっとも格が高い衣装として扱われます。逆に、三つ紋や一つ紋は格が下がり準礼装として扱われるため、衣装を選ぶときは紋の数を確認しておきましょう。
結婚式で新郎が着用する五つ紋付き羽織袴は、男性の第一礼装とされており、細かな決まりがあるのが特徴です。家紋や小物の色などに注意し、サイズの合ったものを用意しましょう。
新郎の紋付袴の選び方
結婚式での新郎の紋付袴を選ぶときのポイントは、以下の3つです。
- 新婦と衣装の格を揃える
- 体のサイズに合わせて選ぶ
- 家紋はなくても着用できる
詳しく見ていきましょう。
1. 新婦と衣装の格を揃える
結婚式などで和装をする場合は、新婦と衣装の格を揃えるのが基本です。新婦が正装(白無垢や色打掛、引振袖など)をする場合は新郎も五つ紋付き羽織袴を選びます。新婦が正装でない場合(振袖など)は、新郎も略礼装で合わせ、色紋付袴を着用するとよいでしょう。
挙式や披露宴ではなく、前撮りや後撮り、フォトウエディングなどであれば、格にとらわれずに色味などを合わせて着用する場合もあります。格式の高い神社などで挙式をおこなう場合は、新郎新婦ともに正装を求められる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
2. 体のサイズに合わせて選ぶ
新郎の紋付羽織袴を選ぶときには、体にあったサイズの物を選びましょう。サイズがあっていないと不恰好に見えてしまい、さまになりません。特に袖や袴の長さに注意し、長すぎたり短すぎたりしないように選ぶことが大切です。
レンタルの場合もできれば店舗で試着し、体にあっているかどうかを確認してから選ぶのがおすすめです。普段から腕が長くて服を選ぶのが難しいという人は、特に試着ができるお店でレンタルするとよいでしょう。多少のサイズ違いは着付けで調整できますが、羽織は調整ができないため、しっかりサイズを測ってレンタルしてください。
3. 家紋はなくても着用できる
結婚式で着用する第一礼装は、家紋のついた五つ紋付き羽織袴です。衣装をレンタルする場合は「通紋」と呼ばれる使う人を特定しない家紋が用いられています。自分の家紋でなくても問題なく着用できるので心配無用です。
自分の家紋を使いたい場合は「貼り紋」と呼ばれるシールになった家紋を利用するとよいでしょう。着物や羽織の上から貼り付けるだけでいいので、レンタルの紋付袴でも使えます。オンラインで購入できるので、事前に用意しておくとよいでしょう。
紋付袴を着用するときの3つの注意点
結婚式でも新郎が紋付袴を着用するときは、以下の3つに注意してください。
- 黒五つ紋付き羽織袴を着用するときは小物は白で統一する
- 自分で用意するものは早めに準備する
- 神前式の場合は神社のルールを確認しておく
詳しく説明していきます。
1. 黒五つ紋付き羽織袴を着用するときは小物は白で統一する
新婦が白無垢や打掛などを着用し、新郎も黒五つ紋付き羽織袴で合わせるときは、小物は白で統一しましょう。羽織紐や扇、草履の鼻緒まで白で統一するのが正式です。
江戸時代までは下着にいたるまで白で統一するものとされていましたが、現代では下着までは問われず、小物のみを白で統一する習慣が残っています。細かい部分は地方で異なる場合もあるので、衣装店や会場などで確認しておくと安心です。
2. 自分で用意するものは早めに準備する
結婚式で紋付羽織袴などを着用する場合、レンタルできない小物がある点に注意しましょう。肌着や足袋などは自分で用意することが多く、レンタルできる小物には含まれていないことがほとんどです。
自分で用意しなければならないものは、できるだけ早めに準備しておくと安心です。特に足袋はサイズが合っていないと不恰好になるので、サイズをしっかり合わせて準備しておきましょう。
3. 神前式の場合は神社のルールを確認しておく
和装で神前式をおこなう場合は、事前に神社のルールを確認しておくと安心です。歴史ある神社などで挙式をおこなう場合、色紋付羽織袴など準礼装では式を挙げられない場合があるからです。
新郎新婦や参列する親族の服装に決まりがないか、事前に確認しておくと安心です。特に衣装はサイズ合わせが必要になるため、変更する場合は早めに手配しなければなりません。挙式スタイルは早めに決めておき、服装を確認してから衣装選びにとりかかりましょう。
紋付袴を格好よく着こなす3つのポイント
新郎の紋付袴姿を格好良く見せるためには、以下の3つのポイントに注目してみてください。
- 姿勢に気をつける
- 大股で歩かない
- マナーに注意する
1つずつ見ていきましょう。
1. 姿勢に気をつける
紋付羽織袴を着用したときは、特に姿勢に気をつけましょう。背中が曲がってしまうと、せっかくの着物が格好良く見えません。腹筋にしっかり力を入れると、良い姿勢を保てます。
背筋はしっかり伸ばし、胸は軽く張って立つのがポイントです。顎を少し引くと、格好良く見えます。慣れない草履で足元が気になりがちですが、視線が下ばかりにならないように注意しましょう。
2. 大股で歩かない
紋付袴姿で大股で歩いてしまうと、着崩れをしやすくなります。普段よりも歩幅は小さくし、ゆっくり歩きましょう。花嫁と歩くスピードを合わせると、自然といつもよりゆっくりになるはずです。
歩くときも背筋をしっかり伸ばし、胸を張って歩きましょう。男性の場合、足をやや外側に出すような形で歩くと、着崩れを防ぎながら美しく歩けます。慣れない着物姿や雪駄で歩くのは大変ですが、おずおず歩くと不恰好になるので、顔を上げて自信を持って歩きましょう。
3. マナーに注意する
扇は使わないなど、和装ならではのマナーにも注意しましょう。扇は末広とも呼ばれ、繁栄を願ったものです。暑い時期であっても、涼を取るためには使わないので、開いて仰がないように注意しましょう。
また、腕時計は外しておくのがおすすめです。着物を着用するときや結婚式では、時計はマナー違反とされることが多いので、当日うっかり時計をしたままで着用することのないように、気をつけましょう。
新郎の和装は紋付袴!新婦の衣装に合わせて似合うものを選ぼう
新郎の和装は、五つ紋付き羽織袴で正装するのが定番です。特に新婦が白無垢や色打掛などで正装する場合は、新郎も着物の格を揃えるとされています。紋付袴は体に合った物を選び、小物は白で統一するようにしてください。
紋付袴は、体に合ったものを選びましょう。袖や袴が長かったり短すぎたりすると、だらしなく見えたり不恰好になったりするからです。着物を着慣れていない人は特に、衣装点で試着した上で選ぶと、当日も安心して着られるでしょう。
慣れない和装で迷ったら、ぜひキモノショップにお越しください。新郎の紋付袴も多数取り揃えております。色紋付羽織袴もご用意していますので、新婦の衣装に合わせてお選びいただけます。着付けや着こなしのアドバイスもさせていただきますので、ぜひ気軽にご来店ください。