綿帽子の由来や意味を知って着用しよう!角隠しとの違いや着用シーン・よくある疑問も解説
「綿帽子にはどんな由来や意味があるの?」
「角隠しとの違いや着用シーンを知りたい」
「綿帽子を被る時はどんなことに気をつければいいの?」
このように考えていませんか?
綿帽子は、白無垢を着た時だけに着用できる特別なアイテムで、和装の花嫁をより美しく、奥ゆかしく見せてくれます。憧れの花嫁姿として、白無垢に綿帽子姿をも思い浮かべる人も多いでしょう。
この記事では、綿帽子について以下の内容を解説します。
- 綿帽子の由来や意味
- 角隠しとの違い
- 髪型や種類、着用時の注意点
綿帽子の意味や由来を知れば、晴れの日への想いも特別なものになるでしょう。美しく被るための注意点も解説するので、ぜひ最後までお読みください。
綿帽子の由来や意味を解説
綿帽子にはどのような由来があり、どんな意味が込められているのかを見ていきましょう。
綿帽子の由来
綿帽子の由来は諸説ありますが、もともとは防寒やホコリ除けとして使われていた「被衣(かつぎ)」だと言われています。被衣は平安時代から女性が外出時に顔を隠すために使っていたもので、当時は着物をそのまま被っていました。
女性が髪の毛を結い上げるようになってからは、その大きさに合わせて形状を変え、被りやすい帽子型へと形を変えました。防寒のために、真綿を加工して作られていたことから綿帽子という名前になったようです。
結婚式の衣装として用いられるようになったのは、室町時代以降で、白無垢に綿帽子の組み合わせはもっとも格式の高い婚礼衣装とされています。
綿帽子の意味
綿帽子には、挙式まで新郎以外の人に顔を見せないという意味が込められています。ウェディングベールと同じような役割を果たしており、新婦の顔が見えないことから花嫁の恥じらいを表しているとも言われています。
顔を隠すことで魔除けの意味もあるとされており、新婦を寒さやホコリだけでなく、邪悪なものからも守っているのです。また、挙式までの間ほかの人から顔を見られるのを防ぐという役割から、着用できるのは挙式のみとされています。
綿帽子と角隠しの違い
白無垢といえば、角隠しを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。綿帽子と角隠しはどう違うのか、詳しくみていきましょう。
綿帽子と角隠しの違いは、次の通りです。
綿帽子 | 角隠し | |
合わせられる衣装 | 白無垢のみ | 白無垢・色打掛など |
髪型 | 日本髪、新日本髪、洋髪 | 日本髪、新日本髪 |
着用シーン | 挙式のみ | 挙式、披露宴 |
着用イメージ | 奥ゆかしい、かわいらしい | シャープ、キリッとした印象 |
綿帽子と角隠しは、合わせられる衣装や髪型が異なりますが、どちらも和装の正装として扱われます。中でも白無垢と綿帽子は挙式のみに許される組み合わせとされており、神前式の場合は神社から綿帽子の着用を求められることもあるほどです。
綿帽子と角隠しは、見た目のイメージも大きく異なるので、理想の花嫁姿や合わせる白無垢によってどちらかを選ぶとよいでしょう。
綿帽子に合わせる3つの髪型
綿帽子は、基本的にはどんな髪型でも合わせられますが、大きく分けると以下の3つです。
- 日本髪
- 新日本髪
- 洋髪
それぞれ詳しくみていきましょう。
1. 日本髪
日本髪とは、昔の女性が結っていた髪の形で、日本の古典的な髪型です。花嫁の日本髪といえば文金高島田が有名ですが、結い上げに時間がかかることや結える人が少なくなったことから、現在はカツラが多く用いられています。
なお、文金高島田は、未婚の女性だけに許された髪型です。地毛で結い上げるには髪の長さと高い技術が必要ですが、あえてこだわって日本髪にする花嫁もいます。
2. 新日本髪
新日本髪は日本髪をアレンジしたもので、現代風に合わせた髪型です。日本髪の美しさは残しながら、さまざまなアレンジを楽しめるのが特徴で、花嫁の和装のほとんどで新日本髪が採用されています。
美容師やヘアメイクさんでも結い上げられることや、ワックスやピンなどを用いており短時間で他の髪型に変えられるため、お色直しの時間も短縮できます。伝統的な美しさはもちろんのこと、個性的なオシャレも楽しめるのが魅力です。
3. 洋髪
洋髪は、特に決まった形がない現代風の髪型です。日本古来の髪型を日本髪というのに対し、西洋風であることから洋髪と呼ばれるようになりました。自由にアレンジでき、アクセサリーの種類も豊富なのが特徴で、好みや衣装に合わせられます。
日本髪や新日本髪に比べると、髪自体のボリュームを出すのが難しいため、綿帽子を被る時には補助具があると便利です。また、ドレスへのお色直しが簡単なため、和装に洋髪を合わせる花嫁も増えています。
綿帽子の種類
白無垢と同じように、綿帽子にもいろんな種類があります。白無垢と合わせてコーディネートを楽しんだり、個性を表現できるのも魅力です。
例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 純白
- 赤ふき
- オーガンジー・レース
- 裏地が赤のもの
- ちりめん
素材や見た目が異なるため、白無垢と合わせた時の印象が異なります。被った時のイメージや白無垢との相性を見ながら、好みのものを選ぶと良いでしょう。
ザ・キモノショップでは、素材や柄の異なる白無垢と、白無垢に合わせやすい綿帽子などの小物を多数ご用意しています。ぜひ一度ご試着にお越しください。
綿帽子を被る時の3つの注意点
綿帽子を被るときは、以下の3つに注意すると美しく着こなせます。
- サイズに合ったものを選ぶ
- 被る位置に注意する
- 洋髪の場合は綿帽子キーパーを使用する
詳しく説明していきます。
1. サイズに合ったものを選ぶ
綿帽子は、体や頭に合わせた大きさのものを選びましょう。サイズが合っていないと白無垢とのバランスが取れず不恰好に見えてしまいます。大きすぎたり小さすぎたりすることがないように、髪型にあわせて選ぶのがおすすめです。
特に、カツラに綿帽子を合わせるときは、特に大きさに注意しましょう。大きすぎると頭が重い印象になりますし、小さすぎると窮屈な感じになってしまいます。全体のバランスを見ながら、自分に合ったサイズのものを選んでください。
2. 被る位置に注意する
綿帽子を被る時は、頭に乗せる位置に注意しましょう。浅め、深めに被ることで顔が見える割合が変わり、与えるイメージも異なってしまいます。また、左右どちらかに傾かないようにも注意しましょう。
被る位置によって顔が見える範囲が異なるため、顔が暗くなったり、逆に見えすぎて不恰好になることもあります。前からだけでなく、横から見たときの見え方もチェックしておくと、美しく被れるでしょう。うまく被れているかどうかは自分ではわからないため、周りの人にいろんな角度から見てもらうことをおすすめします。
3. 洋髪の場合は綿帽子キーパーを使用する
綿帽子に洋髪をあわせる場合は、綿帽子キーパーを使うと見栄えが良くなります。日本髪と違ってボリュームがなく、綿帽子の中が空洞になり、型崩れしやすくなるからです。
綿帽子キーパーがあれば、洋髪でも綿帽子の空間を保てるようになるため、綿帽子の形をしっかりキープできます。綿帽子キーパーがレンタルできるかどうかは事前に確認し、借りられないときは事前に購入しておきましょう。
綿帽子を着用するメリット・デメリット
結婚式で綿帽子を着用するメリットやデメリットについて、詳しくみていきましょう。
綿帽子のメリット
結婚式で綿帽子を被るメリットは、大きく以下の3つです。
- 新婦の奥ゆかしさや初々しさを表現できる
- 小顔効果がある
- 洋髪が合わせられる
綿帽子を被った日本の伝統的な花嫁姿は、花嫁をより美しく、魅力的にしてくれます。より日本の花嫁らしさを表現でき、年配の方にも喜ばれる点もメリットと言えるでしょう。
また、綿帽子は洋髪が合わせられるため、ヘアアレンジも自由に楽しめます。お色直しも短時間でできることから、ゲストを待たせることなく衣装チェンジができるのもメリットです。
綿帽子のデメリット
古式ゆかしい花嫁姿が披露できる綿帽子ですが、デメリットもあります。主なものは以下の2つです。
- 夏は暑い
- 新郎との高さ調整やサイズに注意が必要
綿帽子は、顔を大きく覆うことから風が入りにくく、暑さを感じやすくなります。衣装も分厚いため、夏は辛いと感じる花嫁も多いです。
また、背が高い花嫁は綿帽子でボリュームが出てしまうため、新郎とのバランスが取りにくくなるというデメリットもあります。綿帽子のサイズ選びも重要になるため、見栄えに細やかな配慮が必要です。
綿帽子についてよくある疑問
ここでは、綿帽子を着用するにあたってよくある疑問にお答えしていきます。
Q1.綿帽子が合わせられるのは白無垢だけ?白無垢は綿帽子なしでも着用できる?
綿帽子は、白無垢にしか合わせられない、特別感の高いアイテムです。また、綿帽子なしで白無垢を着用するのは問題ありません。
白無垢に綿帽子を被った姿は、挙式のみとされており、花嫁衣装の中でも特別感があります。一生に一度のことなので、ぜひ着用してみてください。
Q2.綿帽子に洋髪を合わせるときの前髪はどうすればいいの?
洋髪の場合、前髪はあってもなくても問題ありません。基本的に、綿帽子にはどんな髪型でも合わせられるので、自分の好みを優先できます。帽子の役目があるので、髪型をそれほど気にしなくていいのもメリットです。
前髪を見せれば、可愛い感じに仕上がります。ヘアスタイル担当の人とよく相談し、自分らしさを引き出せる髪型を模索してみてください。
Q3.綿帽子が似合わない人はどうすればいいの?
綿帽子が似合わないと感じるときは、被り方や見え方を工夫してみましょう。綿帽子は帽子の一種なので、似合わないというケースはあまりないといえます。似合わないと感じるときは、バランスが悪いときがほとんどなので、被り方やサイズを見直してみるとよいでしょう。
日本髪に合わせている場合は、洋髪にしてみると雰囲気が変わります。日本髪は見慣れないため、どうしても違和感が生まれやすく、似合わないと感じやすいのです。どうしても違和感が拭えない場合は、挙式のみ着用し、写真は横から撮影してみるなど工夫してみるのも良いでしょう。
綿帽子を着な買ったことを後悔する花嫁も多いので、せっかく白無垢を着るならぜひ綿帽子も着用してみてください。
綿帽子と白無垢で最高の結婚式を挙げよう
綿帽子は、白無垢だけに合わせられる特別なもので、和装での結婚式をより美しく伝統的なものに見せてくれるアイテムです。花嫁だけが着用できる衣装で特別感があり、大切な日をより思い出深いものにしてくれるでしょう。
髪型や白無垢とのコーディネートを楽しめるのも、綿帽子ならではの魅力です。花嫁の奥ゆかしさを際立たせ、より美しく晴れの日を彩ってくれるので、ぜひ着用してみてください。
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